サン・ロレンツォの夜
第二次大戦末期のイタリアの地方での物語。
声高に戦争反対を唱えるわけでもなく
いわゆるお涙頂戴的な悲劇”だけ”を描くわけでもなく
その当時、たぶんイタリア各所で繰り広げられていた(であろう)出来事を
特にはユーモアを交えて淡々と描かれているこの映画…
軍だけでなく村人同士の殺し合いなどかなり凄惨な場面もあるのに
どこか世間離れした印象が残ってしまうのは
映し出される風景が美しいことに加え
登場人物である子供が大人になって回想しているという構造だからだろうし
きっと、意図的にそういう風に演出しているから。
派手さはないけど、だからこそしみじみと心に響く、いい映画でした。
殺しの烙印
鈴木清順監督の殺し屋が主人公の映画。
当時これを観た日活の社長が「よくわからん映画を作ってもらってはこまる」と激怒し
監督の専属契約を一方的に打ち切りしたことでも有名だそうですが…
正直、勉強不足なこともあって、そこらへんの事情、あまり知りませんでした。
でもね、確かに変な映画です。
そりゃ素直に”わからん”って言うだろなぁ(苦笑)
でも、そのわからなさ、変なところが味であるし
撮り方や台詞がスタイリッシュでオシャレな感じを受けました。
(いわゆるサブカルに好まれそうな感じ?)
まぁ後年の「ツィゴイネルワイゼン」や「陽炎座」なんてもっと変だし意味不明だし
それに比べたら、ずいぶん”まっとう”な感じしますけどねw
シェルブールの雨傘
たぶん20数年ぶりに鑑賞。
前回はVHS。今回はBlu-ray。
メディアが進化すると画質も進む!かなり綺麗な映像でした。
あらすじがシンプルだったこともあって、
内容覚えてたし、ラストだってああなるってわかってたんだけど
やっぱり最後に泣いてしまいましたねぇ
以前は主人公のカトリーヌ・ドヌーヴってなんて勝手な女性なんだ!
とか単純に思ってたのですが
歳をとってみてみると、その彼女の気持ちもわからなくもなく
そして最後のシーンからも、いろいろ深読みできたりもして
そういう意味では、新鮮な気持ちで観ることができました。
吸血鬼ゴケミドロ
昨年より「あの頃映画 松竹DVDコレクション」と称して
松竹系の昔の映画が安価になってDVDでリリースされてるのですが
この映画もそのラインナップの1本です。
実は以前から観たかったこの映画。
Amazonで2000円と安かったこともあり購入しちゃいました。
ジャンルで言うとSFホラー映画。
エイリアン(の1)に近い感じでしょうか?
時代も時代だし特撮はチープ…だけど怖いです。
何が怖いって寺岡博文役の”高英男”の存在感たるや!
よくよく考えるといろいろ突っ込みどころ満載な脚本だけど
尺が短いこともあって一気に見ることができました。
(ちなみに当初、これとマタンゴとをゴッチャにしてたのはナイショだw)
月に囚われた男
非常に出来のよいSFミステリ。
藤子F不二雄氏のSF(すこしふしぎ)短編のような味わいでした。
欲を言えば、もうひとひねり欲しかったところだけど
あまり複雑な話にせず、これぐらいシンプルなのが良いのかも…
時間も約90分と短くまとまっててよかったです。