サン・ロレンツォの夜
第二次大戦末期のイタリアの地方での物語。
声高に戦争反対を唱えるわけでもなく
いわゆるお涙頂戴的な悲劇”だけ”を描くわけでもなく
その当時、たぶんイタリア各所で繰り広げられていた(であろう)出来事を
特にはユーモアを交えて淡々と描かれているこの映画…
軍だけでなく村人同士の殺し合いなどかなり凄惨な場面もあるのに
どこか世間離れした印象が残ってしまうのは
映し出される風景が美しいことに加え
登場人物である子供が大人になって回想しているという構造だからだろうし
きっと、意図的にそういう風に演出しているから。
派手さはないけど、だからこそしみじみと心に響く、いい映画でした。